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Vol.2 水辺の植物

徳永 咲子

コウホネ

沼や池が減り、三面張り河川(水路)が幅をきかせている昨今、水生植物や湿性植物に親しみを感じていらっしゃる方はどれほどいるでしょうか。 私はといいますと、この仕事に就くまでは、ほとんど何も知らなかったというのが正直なところです。都市に暮らすものにとって、自然は日常からは全般に遠のいてしまっていますが、中でも、水域は陸域と境界をはっきりつけられて、最も手に触れにくくなっている場所なのではないかという気がします。

現在、石神井公園三宝寺池で植生管理の仕事をしています。
三宝寺池中の島には、コウホネやカキツバタ、ミツガシワなどで構成される沼沢植物群落がみられ、国の天然記念物にも指定されています。 これら在来種を保護するため、まずは、外来種の抜き取り作業。セイタカアワダチソウ、アメリカセンダングサ、ハキダメギク、ハルジオンなどが、よくみられる外来の植物です。 秋に背伸びするようにして一斉に咲き競う黄色の花塊、藪から出てみると衣服に食い込むようにしてついてくる黒くてとげのある種子など、この外来の植物のほうは、どなたにもお馴染みかもしれません。

ミツガシワ

カキツバタや、ミツガシワの周辺は被圧を回避するため、ヨシなど大型の植物を刈り取ります。この作業をした月には、すでに花期を終えたカキツバタの花茎の上のぽってり重いさやを折らないようにとずいぶん腐心しました。そして、刈り取ろうとするヨシを連結させて手こずらせてくれたのがゴキヅル。葉も実もかわいらしい形をしていますが、水田雑草と言われていた所以がわかるようでした。

ハンノキは東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)に選定されていますが、ここ中の島では、このハンノキ林への遷移による下層植生の衰退で、島の土が流れ出し、沼沢植物群落が消滅する危機にあることから、島の周囲に板柵をめぐらせる工事もしています。工事中は幾度となくハリアリというアリ(腹部にハリまたは産卵管??をもっている)に攻撃され、刺された個所が幾日にもわたって腫れるという目にあいました。身体の小さい生き物には小さいなりの武器があるものです・・・。

水中といわず茂みといわず、身近にあっても、素通りしているところに、案外おもしろいことが転がっているものだなと思います。

'04.09

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